ポゼッションだけでは勝利出来なくなった理由

ポゼッションサッカーというのは、選手間の距離を狭くすることによって短いパスを高い確率で通しやすくする戦術のことです。

この戦術を初めて行ったのがスペインの強豪チームバルセロナで、その後スペイン代表が戦術を浸透させて南アフリカワールドカップで見事優勝を決めます。しかし2012年を契機に主流となったはずのポゼッションサッカーですが、近年ではこの戦術だけでは勝利できない状態になっているのです。

その事の発端はロンドンオリンピックにおいて日本代表がスペイン代表を破ってしまったことが起因します。日本代表が取った戦術というのが、相手がボールを保持して攻めてくるのがわかっているのでゴール前を人数でしっかり固めてパスコールを消し足の速い選手を1人置いてカウンターを仕掛ける戦術を立てたのです。

ポゼッションサッカーは守備を高いラインまで押し上げてボールを拾いやすい距離を保ちながらほぼ全員で攻める戦術が基礎です。パスを出させても結局ゴールを決めさせなければよいという話なので、パスが通らずに焦っている相手が強引な攻めに転じたところでカットしそれを足の速い選手に渡して攻めるという方法をとったのです。この戦術が見事にはまり、ロンドンオリンピックで日本代表がスペイン代表を破る大金星を挙げます。

このニュースは世界中を駆け巡り喝さいを浴びましたが、同時にポゼッションサッカーの破り方も世界に広まる結果になったのです。そしてブラジルワールドカップにおいてポゼッションサッカーを実践した国は1次リーグで敗退し、この時の日本代表が実践した国が勝ち上がることになります。